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【家にいても受け取れる】在宅避難で支援物資がもらえない理由と手順

在宅避難で支援物資が届きにくい理由と近くの避難所に届け出て受け取る手順を解説する記事のアイキャッチ画像 避難所と福祉避難所

災害のあと、足の弱い義母を連れて避難所へ行くのは難しい。だから家にとどまる。でも、そうすると水や食べ物などの支援物資はもらえないのではないか。そんな心配を抱えていませんか。多くの自治体では、在宅避難をしている人も、避難所などで支援物資を受け取れる仕組みになっています。届きにくいのは、家にいる人の人数や困りごとが行政から見えにくいからです。この記事では、支援物資が届きにくい理由と、自分から「ここにいます」と届け出て受け取るまでの手順をまとめます。

こんな心配はありませんか
  • 避難所にいないと物資はもらえない?
  • 家にいるのは自己責任と言われそう
  • 義母を置いて取りに行けない
  • どこで配っているのか分からない
  • もらいに行くのが申し訳ない
義母の避難に悩む読者のイラストアイコン
読者

義母を連れて避難所へ行くのは無理なので、家にいるつもりです。でも、そうしたら支援物資はもらえないですよね。自分で何とかするしかないのかなと思っていて。

災害医療の修士号をもつ防災士である管理人のイラストアイコン
管理人

家にいることを選んでも、支援を受けてはいけないわけではありません。大切なのは「家にいます」と知らせることです。知らせ方さえ決めておけば、受け取る道はちゃんとあります。

今日ひとつだけやるなら、自宅からいちばん近い避難所の名前を紙に書き、冷蔵庫に貼っておいてください。そこが、在宅避難のときに届け出たり、物資や情報を受け取ったりする窓口になることが多いからです。

在宅避難で支援物資が届きにくい理由

災害のあと、国や自治体から送られる水や食料は、まず避難所へ運ばれるのが一般的です。避難所に身を寄せた人は名簿に載るため、人数や必要な量を数えやすいのです。一方で、家にとどまっている人は、どこに何人いるのかが分かりません。届きにくいのは冷たくされているからではなく、家にいる人が「見えていない」からです。理由を3つに分けて見ていきましょう。

物資は避難所の人数で配られる

支援物資は、避難所の名簿に載った人数をもとに必要な量が計算されることが多いものです。家にいる人の分は、その数に入っていないことがあります。数に入っていなければ、用意される量も足りなくなってしまいます。

家にいる人の数が分からない

在宅避難をしている家は、外から見ても分かりません。自治体の職員や地域の人が一軒ずつ回るには、時間も人手も足りないでしょう。とくに発災から数日の間は、在宅の人の把握が後回しになりやすいのです。

取りに行ける人がいない

避難所で配られると分かっていても、高齢の家族を家に残して長い列に並ぶのは難しいものです。本人を連れて行くのも、足が弱ければ現実的ではありません。「取りに行けないから、もらえない」という形で、支援から離れてしまう家庭は少なくないはずです。

支援物資が届きにくくなる流れ
  • 物資はまず避難所へ運ばれる
  • 数えられるのは名簿の人数
  • 在宅の人は数に入りにくい
  • 取りに行けず受け取れない

在宅避難で支援物資をもらう手順

支援物資を受け取るには、家にいることを知らせるのが最初の一歩です。避難所は、そこに寝泊まりする人だけでなく、周りの家で過ごす人を支える拠点にもなると考えられています。「避難所にはいないけれど、この地区の家に高齢の家族といます」と伝えることが、受け取りへの入口です。具体的な手順を順に紹介します。

近くの避難所に届け出る

揺れや被害が落ち着いたら、近くの避難所の受付で、在宅避難をしていることを伝えましょう。自治体によっては、在宅避難者の名簿や登録の仕組みを設けているところもあります。届け出の方法や窓口は市区町村によって違うため、お住まいの市区町村の防災担当課に平常時のうちに確認しておくと安心です。

伝える内容を紙にまとめる

受付は混み合うため、口で説明しようとすると伝え漏れが出がちです。住所、家族の人数、高齢の家族がいること、困っていることを、あらかじめ紙に書いておきます。その紙を渡すだけで伝わるようにしておけば、短い時間で済むでしょう。

届け出の紙に書いておくこと
  • 住所と家族の人数
  • 高齢の家族の年齢と歩く力
  • 足りない物(水・食料など)
  • 日中の連絡先

配布の時間と場所を確かめる

物資の配布は、時間や場所が決まっていることがよくあります。避難所の掲示板や、市区町村の防災無線、ホームページ、ラジオなどで知らされることが多いものです。停電中の情報の集め方は高齢者と情報収集する在宅避難の備えで詳しくまとめています。

取りに行けないときは頼む

家族を置いて出られないときは、無理に自分で行かなくて構いません。近所の人に「ついでにお願いできますか」と頼む、自治会や民生委員に相談する、といった方法があります。頼み方を前もって決めておきたい方は、近所の助け合い 高齢者の防災で決めておくことも参考にしてください。

在宅避難で支援物資を受け取るために近くの避難所へ届け出て配布の時間を確かめ取りに行けないときは近所や民生委員に頼む流れを示す図解
在宅避難で支援物資を受け取るために近くの避難所へ届け出て配布の時間を確かめ取りに行けないときは近所や民生委員に頼む流れを示す図解

高齢の家族がいる家の伝え方

高齢の家族がいる家では、「水と食料がほしい」だけでは本当に必要な物が届かないことがあります。避難所で配られる物は、多くの人に合わせた内容になりやすいからです。誰が、何に困っているのかを具体的に伝えるほど、合った支援につながりやすくなります。ここでは、伝えておきたい点を4つ紹介します。

配慮が必要な家族がいると伝える

「78歳の義母が杖で歩いていて、避難所まで来られない」のように、状態をそのまま伝えましょう。配慮が必要な人がいると分かれば、見回りや個別の支援の対象として気にかけてもらえることがあります。事前に個別避難計画を作っている場合は、そのことも添えるとよいでしょう。作り方は個別避難計画の作り方と相談先の全手順にまとめています。

食べやすい物を具体的に伝える

災害直後の支援物資は、パンやおにぎり、アルファ米などが中心になりがちです。噛む力や飲み込む力が弱い家族には、硬いパンや冷たいご飯が食べにくいこともあります。「おかゆなどのやわらかい物があると助かる」と具体的に伝えれば、手に入る範囲で考えてもらえるかもしれません。

紙おむつなどの消耗品も伝える

紙おむつ、尿とりパッド、口腔ケア用のウェットティッシュなどは、使う人が限られるため、言わなければ用意されにくい物です。サイズや種類も合わせて伝えましょう。ただし、届く量や時期は被害の大きさによって違うため、しばらく使える分は家にも置いておくと安心です。

薬は医療の窓口に相談する

毎日飲む薬は、一般の支援物資とは別の扱いになります。薬が切れそうなときは、かかりつけ医や薬局、避難所に置かれる医療の相談窓口などに相談してください。お薬手帳があると話が早く進みます。薬の備え方は高齢の親の防災の備えと常備薬の持ち出し方で詳しく紹介しています。

伝えておきたい困りごとの例
  • 杖歩行で避難所に来られない
  • やわらかい食事が必要
  • 紙おむつのサイズ
  • 残りわずかな薬

届くまでの数日を支える備え

届け出をしても、支援物資がすぐに届くとは限りません。道路の被害や物資の不足で、配布が始まるまでに時間がかかることもあるからです。支援物資は「足りない分を補ってもらう物」と考え、最初の数日は家の備えで過ごせるようにしておくと、気持ちに余裕が生まれます。家で用意しておきたいことを3つ見ていきましょう。

最初の3日は家の備蓄で過ごす

国や自治体は、少なくとも3日分、できれば1週間分の水と食料を家庭で備えるよう呼びかけています。一度にそろえる必要はありません。ふだんの買い物で少し多めに買い、使ったら買い足すだけでも、数日分の蓄えになります。食料の選び方は高齢者がいる家庭の在宅避難 食料備蓄の選び方で詳しく説明しています。

やわらかい主食を少し置く

支援物資で届きにくい物を、家で少しだけ補っておきましょう。高齢の家族がいる家では、おかゆなどのやわらかい主食が代表です。お湯がなくても水で戻せる物を選べば、停電や断水が重なっても用意しやすくなります。

受け取りに使う道具を決める

配布される水は重く、持ち帰るのが大変です。キャリーカートや、ふたの付いたポリタンク、丈夫な手提げ袋などを、どこに置いているか家族で確かめておきましょう。給水所で水を受け取るときにも同じ道具が使えます。水の量の目安は断水しても慌てない 高齢者がいる家庭の水の備えが参考になります。

発災当日から家の備蓄で過ごし避難所へ届け出て配布を受け取るまでの流れを示し最初の数日は家の備えで支えることを示す図解
発災当日から家の備蓄で過ごし避難所へ届け出て配布を受け取るまでの流れを示し最初の数日は家の備えで支えることを示す図解

よくある質問

在宅避難と支援物資について、よくある疑問をまとめました。家にいることを選んだからといって、遠慮する必要はありません。支援の仕組みや配り方は自治体によって違うため、細かい点はお住まいの市区町村で確認してください。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。

避難所に行かないと本当にもらえませんか

多くの自治体では、在宅避難をしている人も避難所などで支援物資を受け取れるようにしています。ただし、配り方や届け出の要否は地域によって違います。お住まいの市区町村の防災担当課で、平常時のうちに確かめておくと安心です。

家にいるのは自己責任と言われませんか

足の弱い家族と家にとどまるのは、安全を考えたうえでの大切な選択の一つです。国も、在宅で避難している人を支援の対象として考えるよう自治体に呼びかけています。遠慮せずに、困っていることを伝えてください。

届け出は電話でもできますか

電話やホームページで受け付ける自治体もありますが、災害直後は電話がつながりにくくなります。近くの避難所で直接伝える方法と、電話で伝える方法の両方を考えておくと慌てずに済むでしょう。受付の方法は市区町村によって違います。

物資をもらいに行く間、家族はどうすればいいですか

短い時間でも一人にするのが心配なら、家族や近所の人と交代で行くか、代わりに受け取ってもらえないか相談しましょう。本人を家に残すときは、水や電話を手の届く場所に置き、戻る時間を伝えてから出かけると安心です。

マンションでも届け出は必要ですか

マンションでは、管理組合や自治会が住民の様子をまとめて伝えてくれることもあります。ただし、仕組みがあるかどうかは建物によって違います。高齢の家族がいることは、管理組合や近くの避難所にも伝えておくと、見落とされにくくなります。

まとめ

在宅避難で支援物資が届きにくいのは、家にいる人が行政から見えにくいからです。見捨てられているわけではありません。近くの避難所に「ここにいます」と届け出て、困っていることを具体的に伝える。これだけで、受け取りへの道は大きく開けます。

この記事の振り返り
  • 物資はまず避難所へ運ばれる
  • 在宅の人は数に入りにくい
  • 近くの避難所に届け出る
  • 困りごとを紙にまとめて渡す
  • 取りに行けないときは頼む
  • 最初の数日は家の備えで

今日は、自宅からいちばん近い避難所の名前を紙に書いておいてください。できれば、お住まいの市区町村のホームページで、在宅避難をしている人への物資の配り方も調べてみましょう。費用はかかりません。そのうえで、届くまでの数日を支えるやわらかい主食を、少しだけ家に置いておくと安心です。

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