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【一人でパニックにさせない】認知症の家族と避難する具体的な方法

認知症のある家族と避難するときの声かけと事前準備を解説する記事のアイキャッチ画像 避難の手順とタイミング

認知症のある義母や親と暮らしていると、「地震が来たとき、うまく避難させられるだろうか」という不安が頭から離れないのではないでしょうか。いつもと違う状況になると混乱しやすく、説明してもうまく伝わらない、急に動けなくなる、逆に一人で外に出ようとしてしまう。そんな場面を想像すると、避難そのものより「本人をどう動かすか」のほうが心配になりますよね。この記事では、認知症のある家族と一緒に避難するときに起きやすいことと、事前の備え、実際の声かけの仕方までを具体的に整理します。特別な資格や知識がなくても、今日から準備できることばかりです。

認知症の家族との避難でつまずくところ
  • 説明してもパニックになる
  • 急に動かなくなる、座り込む
  • 一人で歩き出してしまう
  • 本人確認できる持ち物がない
  • 避難所でどう過ごすか分からない
義母の避難に悩む読者のイラストアイコン
読者

義母は認知症があって、地震のときにちゃんと避難できるか本当に不安です。パニックになって動けなくなったらどうしようと思うと、それだけで気が重くなります。

災害医療の修士号をもつ防災士である管理人のイラストアイコン
管理人

大丈夫です。認知症のある方の避難は、声のかけ方と事前の準備で大きく変わります。難しいことではなく、今日決めておけることから一つずつ整理していきましょう。

認知症のある家族との避難は、身構えるほど難しいものではありません。「いつもと同じ言葉」「短い指示」「本人確認できる持ち物」の3つを事前に決めておくだけで、当日の混乱はかなり減らせます。読み終えるころには、うちの場合に何を準備すればいいかがはっきりします。

認知症の家族と避難するときに起きやすいこと

まずは、なぜ避難が難しく感じられるのかを整理しておきましょう。認知症のある方は、状況の変化そのものより「理解が追いつかないこと」に強い不安を感じます。原因が分かれば、対応のしかたも見えてきます。

状況の変化についていけずパニックになる

地震の揺れや、周囲の慌ただしい雰囲気そのものに驚くだけでなく、「何が起きているか理解できないこと」自体が強い不安につながります。説明を重ねるほど情報量が増えて、かえって混乱することもあります。

この場合、詳しい説明よりも、いつもの声のトーンで短く伝えるほうが伝わりやすくなります。次の章で具体的な声かけの例を紹介します。

急に動けなくなる、または一人で歩き出してしまう

不安が強くなると、その場に座り込んで動かなくなる方もいれば、反対に「家に帰る」と一人で歩き出してしまう方もいます。どちらの反応が出るかは、本人の普段の性格やそのときの体調によって変わります。

どちらのパターンが出やすいか、家族があらかじめ把握しておくと、当日慌てずに対応しやすくなります。

環境の変化そのものがストレスになる

避難所のような慣れない場所、大勢の人、いつもと違う音や匂いは、認知症のある方にとって強いストレスになります。これは本人の努力ではどうにもならない反応で、責めるところではありません。

だからこそ、環境が変わる前の「避難する・しないの判断」と「持ち出す物の準備」を、平常時のうちに済ませておくことが大切です。

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※ご近所や家族だけで抱えきれないときの選択肢です

避難前に準備しておきたいこと

当日の混乱を減らすいちばんの方法は、揺れる前に準備しておくことです。本人確認・持ち出し品・避難先の3つを、平常時に一度決めておきましょう。

本人確認できるものを身につけてもらう

避難の混乱で家族と離れてしまうと、本人が自分の名前や連絡先をうまく伝えられないことがあります。名前・緊急連絡先・かかりつけ医を書いたカードを、衣類のポケットや首から下げるケースに入れておくと安心です。

市販の迷子札やGPS付きの見守り機器を活用するご家庭も増えています。本人が嫌がらない形を選ぶことが続けるコツです。

持ち出し袋に認知症ならではの物を追加する

通常の持ち出し袋に加えて、普段使い慣れたタオルやぬいぐるみなど、安心できる物を1つ入れておくと、環境が変わったときの落ち着きにつながります。お薬手帳と常備薬の準備は、通常の高齢者の備えと同じく欠かせません。

お薬手帳と常備薬の具体的な備え方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

持ち出し袋に追加したいもの
  • 本人確認カード・迷子札
  • 使い慣れたタオルや小物
  • お薬手帳と常備薬
  • 顔写真(はぐれたときの説明用)
  • 耳が遠い場合は補聴器の予備電池

避難先とルートを事前に本人と一緒に確認しておく

まったく初めての場所より、一度でも歩いたことのある避難先のほうが、当日の混乱が少なくなります。散歩を兼ねて、近くの指定避難所まで一緒に歩いておくのも有効です。

個別避難計画を作る際に、避難のタイミングや誰が付き添うかを具体的に決めておくと、家族内での役割分担もはっきりします。

準備ができたら、次は実際に避難するときの声かけと誘導のしかたを見ていきましょう。

避難のときの声かけと誘導のしかた

いざ避難するとき、説明より先に「安心させる言葉」を伝えることが、スムーズに動いてもらうコツです。具体的な声かけの型を持っておくと、とっさのときにも迷いません。

短く、いつもと同じ言葉で伝える

「地震があったので避難所に移動します」より、「一緒に外に出ようね」「大丈夫、私がそばにいるよ」のような短い言葉のほうが伝わりやすいです。説明は後からで構いません。まず安心させることを優先します。

普段から本人が使っている呼び方や口癖を交えると、より落ち着いてもらいやすくなります。

選択肢を与えず、行動を一つずつ示す

「靴を履いて、上着を着て、荷物を持って」と一度に伝えると混乱しやすいため、「まず靴を履こうね」と一つの動作だけを伝え、終わったら次を伝えるようにします。

急かす言葉は避け、本人のペースに合わせることで、かえって早く動けることが多いです。

一人で歩き出そうとしたときの対応

「家に帰る」と一人で歩き出そうとする場合は、無理に止めるより、隣を歩きながら気持ちを受け止める言葉をかけるほうが落ち着きやすいことがあります。「一緒に帰ろうね、こっちの道から行こう」と、目的地を避難先に自然に切り替える言い方も有効です。

力ずくで引き止めると、かえって不安や興奮を強めることがあるため注意しましょう。

認知症のある家族が動けなくなったときは安心させる言葉から一つずつ行動を示すことを示す判断フローの図解
認知症のある家族が動けなくなったときの声かけの順番です

避難所での過ごし方と気をつけたいこと

避難所に着いてからも、環境の変化によるストレスは続きます。周囲への理解を得る工夫と、無理をしない選択肢を知っておきましょう。

周囲に一言伝えておくと動きやすくなる

避難所の受付や近くにいる方に、「認知症があります」と一言伝えておくだけで、周囲の理解を得やすくなります。大声を出してしまったり、落ち着かない様子があっても、事情を知っている人がいれば対応しやすくなります。

恥ずかしいと感じる必要はありません。多くの避難所ではこうした申し出に慣れています。

一般の避難所が難しい場合は福祉避難所も選択肢になる

一般の避難所での集団生活が本人にとって大きな負担になる場合は、福祉避難所という選択肢もあります。ただし福祉避難所は直接は行けず、まず一般の避難所を経由するケースが多いため、事前に自治体の案内を確認しておくと安心です。

福祉避難所の実際の使い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

可能であれば在宅避難も検討する

自宅の安全が確保できる場合は、環境を変えない在宅避難のほうが、認知症のある方には負担が少ないこともあります。在宅避難を選ぶ場合も、水・食料・トイレなどの備えは避難所生活と同じくらい必要です。

在宅避難の基本的な備えについては、このブログの他の記事でも取り上げています。状況に応じて、在宅避難と避難所のどちらが本人にとって負担が少ないかを、家族で話し合っておきましょう。

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※ご近所や家族だけで抱えきれないときの選択肢です

よくある質問

最後に、認知症のある家族との避難について、よく寄せられる質問をまとめました。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。うちの場合に置き換えながら読んでみてください。

説明してもまったく伝わらないときはどうすればいいですか

言葉での説明を重ねるより、実際に手を取って一緒に歩き出すなど、行動で示すほうが伝わることがあります。無理に理解させようとせず、安全な方向へ一緒に動くことを優先しましょう。

デイサービスの利用中に災害が起きた場合はどうなりますか

多くの事業所では災害時の対応マニュアルがあり、安全な場所への誘導や家族への連絡体制が決められています。利用している事業所の災害時対応について、一度確認しておくと安心です。

一人で家にいるときに地震が起きたら心配です

日中一人で過ごす時間が多い場合は、見守りサービスや近隣との連携を検討する価値があります。すぐに駆けつけられる人が近くにいる状態を作っておくことが、いちばんの安心につながります。

本人が避難を嫌がって動いてくれません

「避難所に行こう」ではなく、「一緒に外の空気を吸いに行こう」など、本人が受け入れやすい言い方に変えてみましょう。理由を理解してもらうことより、まず一緒に動いてもらうことを優先すると進みやすくなります。

近所の人にどこまで頼っていいものでしょうか

災害時は誰もが余裕がなくなります。ふだんから「うちには認知症の家族がいます」と伝えておくだけでも、いざというときに声をかけてもらいやすくなります。すべてを頼るのではなく、気にかけてもらえる関係を作っておくことが現実的です。

まとめ

認知症のある家族との避難は、本人確認できる持ち物を用意し、短くいつもと同じ言葉で声をかけ、一つずつ行動を示すだけで、当日の混乱を大きく減らせます。パニックになったり一人で歩き出したりするのは、本人の努力不足ではなく、環境の変化への自然な反応です。責めずに、そばにいることをまず伝えてあげてください。避難所が難しいと感じたら、在宅避難や福祉避難所という選択肢もあります。

この記事の振り返り
  • 混乱の原因は理解が追いつかないこと
  • 本人確認カードを身につけてもらう
  • 持ち出し袋に安心できる小物を追加
  • 声かけは短く、一つずつ
  • 避難所では周囲に一言伝える
  • 在宅避難・福祉避難所も選択肢になる

今日すべてを準備する必要はありません。まずは、義母や親のポケットに入れられる本人確認カードを1枚作ることから始めてみてください。名前と連絡先を書いた紙をラミネートするだけでも十分です。認知症のある家族との避難は、準備と声かけの積み重ねで確実に安心できるものに近づきます。このブログでは、これからも高齢の家族がいる家庭の具体的な備えをお伝えしていきます。

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※ご近所や家族だけで抱えきれないときの選択肢です

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