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【人もペットも家で過ごす】高齢者とペットの在宅避難 備蓄の組み立て方

高齢の家族とペットがいる家の在宅避難の備蓄を人とペットを別々にせず一つの仕組みで組み立てる方法を解説する記事のアイキャッチ画像 在宅避難の備え

足の弱い義母と、家族同然の犬や猫。避難所には連れて行きにくいから、いざというときは家で過ごそうと決めている方も多いのではないでしょうか。ところが、人の備蓄とペットの備蓄を別々に考えていると、片方だけがそろって、もう片方が足りないまま当日を迎えがちです。高齢の家族とペットがいる家の備蓄は、「誰の分か」ではなく「家にいる全員の分」として、一つの仕組みで組み立てると続けやすくなります。この記事では、人とペットの備蓄を同時にそろえて切らさないための手順をまとめました。

こんな心配はありませんか
  • ペットの分まで手が回らない
  • 何日分あれば足りるか不明
  • 置き場所がばらばら
  • 気づくと期限が切れている
  • 人と動物の薬が混ざりそう
義母の避難に悩む読者のイラストアイコン
読者

義母の食べやすいおかゆは買ってあるんですが、犬のフードは毎月ぎりぎりで回していて、余分がありません。両方そろえるとなると、何から手をつければいいのか分からなくて。

災害医療の修士号をもつ防災士である管理人のイラストアイコン
管理人

人とペットの両方を世話している方ほど、備蓄は後回しになりやすいものです。あなたが怠けているわけではありません。別々に考えるのをやめて、家にいる全員の分を一つの棚で回す形にすると、ぐっと楽になります。

今日ひとつだけやるなら、ペットのフードを「いつもより1袋多く」買っておいてください。開けていない1袋が家にあるだけで、在宅避難の最初の数日を安心して迎えやすくなるはずです。

高齢者とペットの在宅避難の備蓄

在宅避難の備蓄は、電気・水道・ガスが止まり、お店にも物が並ばない数日間を、家の中で乗り切るためのものです。高齢の家族とペットがいる家では、人の分とペットの分を同じ日数でそろえておくと、計算も点検もしやすくなります。目安は人もペットも7日分です。まずは3日分から始めて、少しずつ7日分へ近づけていきましょう。そろえる物を4つに分けて見ていきます。

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水は人とペットを足して計算

人の飲み水と調理の水は、1人1日3リットルが目安とされています。ペットの飲み水は体重によって変わり、体重10キロほどの犬で1日0.5リットル前後と言われることが多いようです。人の分だけで計算すると、ペットに水を回したときに足りなくなります。家族とペットの分を足した量を、まとめて備えておきましょう。水の量の決め方は断水しても慌てない 高齢者がいる家庭の水の備えで詳しく紹介しています。

大人1人の7日分の水は約21リットルで体重10キロの犬は約4リットル体重4キロの猫は約1.5リットルが目安であり人とペットの分を足して備える必要があることを示す図解
大人1人の7日分の水は約21リットルで体重10キロの犬は約4リットル体重4キロの猫は約1.5リットルが目安であり人とペットの分を足して備える必要があることを示す図解

食べ物は食べ慣れたもの

災害のときは、人もペットも環境の変化で食欲が落ちやすくなります。高齢の家族には噛みやすく飲み込みやすいもの、ペットにはいつものフードを用意しておくと、口にしてもらいやすいでしょう。急に違う物を出すと、食べなかったり、おなかをこわしたりすることがあります。高齢の家族の食べ物の選び方は高齢者がいる家庭の在宅避難 食料備蓄の選び方が参考になります。

薬と療法食は早めの補充

義母の常備薬と、ペットの療法食や薬は、代わりがききにくい物です。災害のあとは病院も動物病院も、すぐには再開しないかもしれません。ふだんの薬が切れる前に次をもらう、療法食は1袋多く持っておくなど、少し早めの補充を習慣にしておきます。人の薬の備え方は高齢の親の防災の備えと常備薬の持ち出し方にまとめました。

トイレは人とペットの両方の分

断水すると、人は水洗トイレが使えなくなり、ペットの排せつ物も捨てる場所に困ります。人の携帯トイレに加えて、ペットシーツや猫砂も7日分あると安心です。においを閉じ込める袋は人とペットで同じ物を使えるので、多めに用意しておきましょう。人のトイレの必要な数は在宅避難のトイレ 高齢者に必要な携帯トイレの数で計算できます。

人とペットでそろえる物
  • 人の水 1人1日3リットル
  • ペットの水 体重に応じて
  • 噛みやすい非常食
  • いつものペットフード
  • 人の常備薬と療法食
  • 携帯トイレとペットシーツ

人とペットを同時に備える手順

何をそろえるかが分かっても、人の分とペットの分を別々に管理していると、どちらかが抜け落ちやすくなります。世話をしているのは同じ一人であることが多いので、管理の手間は少ないほど続けやすいはずです。一覧を1枚、棚を1か所、点検日を1日にまとめるだけで、人とペットの備蓄は同時に回せるようになります。4つの手順で紹介します。

家にいる全員を一覧にする

紙を1枚用意し、家族とペットの名前を縦に並べます。横には「水」「食べ物」「薬」「トイレ」の欄を作り、それぞれ何がどれだけ要るかを書き込みましょう。義母の入れ歯に合うやわらかい物、犬の療法食など、その人やその子だけに必要な物もここに書いておきます。1枚にまとまっていると、家族に頼むときにも見せるだけで伝わります。

一つの棚にまとめて置く

人の非常食は押し入れ、ペットのフードは玄関、と置き場所が分かれていると、点検のたびに家中を回ることになります。人とペットの備蓄は、できるだけ同じ棚や同じ収納ケースにまとめましょう。ペットのフードはにおいで動物が袋を破ることがあるため、ふたのしっかり閉まるケースに入れておくと安心です。

ふだん使いながら買い足す

非常食やペットフードを、しまい込んだままにする必要はありません。ふだんの食事やごはんで古い物から使い、使った分だけ買い足していけば、いつも一定の量が家にある状態を保てます。この方法は「ローリングストック」と呼ばれています。ペットのフードは開けると傷みやすいので、小分けの袋を選ぶと回しやすくなるでしょう。

点検日を1日決めておく

人とペットの備蓄を見直す日を、年に2回ほど決めておきます。防災の日の9月1日や、ペットのワクチンの時期など、覚えやすい日に合わせると忘れにくくなります。期限が近い物はふだんの食事に回し、薬の量や療法食の種類が変わっていないかも、このときに一緒に確かめましょう。

家族とペットを一覧にし一つの棚にまとめて置きふだん使いながら買い足して年に2回の点検日に見直すという人とペットの備蓄を同時に回す4つの手順を示す図解
家族とペットを一覧にし一つの棚にまとめて置きふだん使いながら買い足して年に2回の点検日に見直すという人とペットの備蓄を同時に回す4つの手順を示す図解

備蓄で気をつけたいこと

人とペットの備蓄をまとめて置くと管理は楽になりますが、まとめるからこそ起きやすい取り違えもあります。とくに高齢の家族は、目が見えにくかったり、物の区別がつきにくくなっていたりすることがあるため、間違いが起きにくい置き方を工夫しておきましょう。まとめて置くときは、人の物とペットの物がひと目で区別できるようにしておくことが大切です。注意したい点を3つ紹介します。

薬は袋を分けて名前を書く

人の薬とペットの薬が同じ箱に入っていると、慌ただしいときに取り違えるおそれがあります。人の薬とペットの薬は別々の袋に入れ、大きな字で「義母」「犬」のように名前を書いておきましょう。色の違う袋を使うと、目の見えにくい家族にも区別しやすくなります。

人の食べ物をペットに与えない

人の非常食には、塩分が多い物や、玉ねぎなど動物の体に合わない材料が入っている物があります。ペットのフードが切れたときに、人の食べ物で代わりにするのは避けたほうが安全です。だからこそ、ペットのフードは人の食べ物とは別に、必ず日数分をそろえておきます。

重い物は低い場所に置く

水のケースやペットフードの大袋は重く、高い棚に置くと、取り出すときに落としたり、揺れで落ちてきたりします。重い物は床に近い段に置き、軽い物を上の段にしましょう。足の弱い家族が手を伸ばして取ろうとして転ばないよう、よく使う物は腰の高さあたりに置くと安心です。

まとめて置くときの注意
  • 人とペットの薬は別の袋
  • 袋に大きく名前を書く
  • 人の食べ物はペットに出さない
  • 重い物は下の段
  • フードはふたつきのケース

よくある質問

高齢の家族とペットがいる家の備蓄について、よく寄せられる疑問をまとめました。備蓄は一度に完ぺきにそろえなくても大丈夫です。足りない物を一つずつ埋めていきましょう。ペットの水や食事の量は体の大きさや持病によって変わるため、細かいところはかかりつけの動物病院に相談してください。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。

ペットの備蓄は何日分あればいいですか

環境省の資料では、ペットのフードや水は少なくとも5日分、できれば7日分以上が望ましいとされています。人の備蓄も7日分を目安にすると、日数をそろえて管理できます。いきなり7日分が難しければ、まず3日分から始めてみてください。

ペットフードの期限はどう管理しますか

ふだん食べているフードを多めに買い、古い物から使っていく方法がいちばん手軽です。開けたあとは傷みやすいため、小分けの袋や小さめの袋を選ぶと、古くなる前に使い切れます。袋に開けた日を書いておくと、家族の誰が見ても分かるでしょう。

水道水をくみ置きしてもいいですか

くみ置きの水道水は、保存期間が短いため飲み水の備蓄には向きません。生活用水として、トイレや掃除に使う分には役立ちます。飲み水は、人の分もペットの分も、未開封のペットボトルで備えておくと安心です。

ペットの薬を多めにもらえますか

薬によっては、多めに出してもらえるかどうかが変わります。かかりつけの動物病院で、災害に備えたいと伝えて相談してみてください。人の薬も同じで、余分にもらえるかは薬や状態によるため、かかりつけ医や薬局に相談しましょう。

置き場所が足りないときはどうしますか

専用の棚がなくても、ベッドの下や階段の下、クローゼットの床など、ふだん使っていない低い場所が使えます。ただし、寝室に重い物を高く積むのは避けてください。置き場所が1か所にまとまらないときは、置いた場所を一覧の紙に書いておくと迷いません。

まとめ

高齢の家族とペットの両方がいる家は、避難所よりも在宅避難を選ぶことが多くなります。だからこそ、人の分とペットの分を別々に考えず、家にいる全員の分として備えることが大切です。一覧を1枚、棚を1か所、点検日を1日。この3つを決めておけば、人とペットの備蓄を同時に、無理なく回していけます。

この記事の振り返り
  • 人もペットも7日分が目安
  • 水は全員の分を足して計算
  • 食べ物は食べ慣れたもの
  • 薬と療法食は早めに補充
  • 一つの棚でふだん使い
  • 人とペットの物は区別して置く

今日は、ペットのフードを1袋多く買っておくことから始めてみてください。あわせて、高齢の家族の分も、噛みやすい非常食が家にあるかを確かめておくと安心です。火もお湯も使わずに水だけで戻せるおかゆのような保存食なら、停電や断水のさなかでも用意しやすいでしょう。

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