PR

【お皿を洗わずに済む】断水中の調理と洗い物を減らす在宅避難の工夫

断水中でもポリ袋調理と器にラップを敷く工夫で洗い物の水を減らし、高齢の家族の飲み水を守りながら温かい食事を続ける方法を解説する記事のアイキャッチ画像 在宅避難の備え

水は備えてあるけれど、断水したら毎日のごはん作りと洗い物はどうすればいいのだろう。そう考えて手が止まったことはないでしょうか。ペットボトルの水を数えて安心していても、調理や後片付けに使う水までは見込んでいない家庭がほとんどです。それは準備が足りないのではなく、ふだん蛇口から水が出るのが当たり前だからなのです。調理のしかたと器の使い方を少し変えるだけで、洗い物の水はぐっと減らせます。この記事では、ポリ袋を使った調理と、水をほとんど使わない後片付けの工夫を、高齢の家族がいる家庭の目線で紹介します。

断水中の台所で困りそうなこと
  • 鍋やお皿を洗う水がない
  • 飲み水を調理に使うのが不安
  • 冷たい物ばかりになりそう
  • 高齢の親に合う食事が作れない
  • 汚れた食器がたまっていく
義母の避難に悩む読者のイラストアイコン
読者

飲み水は家族の分を用意しました。でも断水が何日も続いたら、料理や洗い物にまで水を回せる気がしないんです。

災害医療の修士号をもつ防災士である管理人のイラストアイコン
管理人

そう感じるのは自然なことですよ。実は、洗い物を出さない作り方に変えるだけで、使う水はかなり減らせます。特別な道具はいりません。ポリ袋とラップがあれば始められますよ。

今日ひとつだけやるなら、台所に湯せんに使える厚手のポリ袋とラップがあるかを確かめてみてください。この2つが、断水中の台所を支える一番の道具になります。

断水時に調理と洗い物が困る理由

断水すると、飲む水だけでなく、米をとぐ水、鍋でゆでる水、食器を洗う水がすべて止まります。ふだんの台所では、思っている以上にたくさんの水が流れているのです。備蓄の水は限られているので、飲み水を守りながら料理を続けるには、水の使い道を見直す必要があります。減らしやすいのは「飲む水」ではなく「洗う水」で、ここを工夫するのが一番の近道です。困りやすい理由を3つ紹介します。

\ 火もお湯も使わず、水だけで戻せます /

おかゆもある長期保存食「安心米」を見る

※袋に水を注ぐだけで食べられるので、鍋もお皿も汚れません

洗い物に意外と水を使う

食事のたびに鍋やフライパン、茶わん、お皿を洗うと、すすぎまで含めてかなりの量の水が必要になります。油汚れのある物は、なおさら水が必要です。断水中は「洗う物を出さない」ことが、そのまま水の節約になります。料理の量を減らすより、使う器と鍋の数を減らすほうが、食事の満足度を落とさずに済みます。まずは汚れる物の数を数える意識を持つだけでも、使う水は変わってきます。

飲み水と生活用水は分けて考える

備蓄の水には、飲んだり薬を飲んだりするための「飲み水」と、手を洗ったり体を拭いたりするための「生活用水」があります。断水が長引くと、つい飲み水を洗い物に回してしまいがちです。高齢の家族の水分補給と薬のための水は、最後まで手をつけない分として先に取り分けておいてください。お風呂の残り湯やポリタンクの水は、トイレや掃除に回します。必要な水の量の決め方は断水しても慌てない 高齢者がいる家庭の水の備えで紹介しました。

温かい食事を作りにくくなる

水を節約しようとすると、パンや缶詰など冷たい物ばかりの食事になりがちです。高齢の方は冷たい物や乾いた物を食べにくく、食欲が落ちる原因にもなります。少ない水でも温かい一品を作れる方法を知っておくと、家族の食べる量を守りやすくなります。その方法が、次に紹介するポリ袋調理です。食欲が落ちたときの備えは災害時の高齢者の食欲低下と低栄養を防ぐ備えにまとめています。

断水中に水が止まる台所の作業
  • 米をとぐ・野菜を洗う
  • 鍋でゆでる・煮る
  • 食器と鍋を洗う
  • 調理の前後の手洗い
  • 台やふきんの掃除

断水中の調理で水を減らす方法

断水中の調理では、食材が鍋や器に直接ふれない作り方を選ぶと、洗い物がほとんど出なくなります。代表的なのが、食材をポリ袋に入れて鍋のお湯で温める「ポリ袋調理」です。鍋のお湯は食材にふれないので汚れず、何度も使い回せます。一つの鍋で、ごはんとおかずを同時に作れるのがポリ袋調理の大きな利点です。水を減らすための調理の工夫を4つ紹介します。

ポリ袋調理は食材と水を袋に入れ、空気を抜いて口を結び、鍋底に皿を敷いて湯せんし、少し冷ましてから開けるという4つの手順を示す図解
ポリ袋調理の4つの手順

ポリ袋調理の基本

ポリ袋調理は、食材と調味料をポリ袋に入れ、空気を抜いて口を結び、沸騰したお湯で温める方法です。ごはんなら、米と水を袋に入れて30分ほど浸してから、20〜30分ほど湯せんするのが一般的な目安です。袋が鍋の底にふれると破れることがあるので、鍋の底に耐熱のお皿を1枚敷いてから袋を入れてください。お米をとがずに済む無洗米を備えておくと、とぐ水も要りません。火加減や時間は食材によって違うため、平時に一度試しておくと安心です。

湯せんに使える袋を選ぶ

ポリ袋なら何でもよいわけではありません。湯せんに使えるのは、「高密度ポリエチレン」と書かれ、耐熱温度が100℃を超える袋です。薄いレジ袋や耐熱温度の低い袋は、溶けたり破れたりするおそれがあります。買うときは、箱や袋の表示で「湯せん可」や耐熱温度を必ず確かめてください。食品用の厚手の袋を、ふだんの台所用品と一緒に多めに買っておけば、備蓄として切らさずに済みます。

湯せんのお湯は使い回す

ポリ袋調理で使ったお湯は、食材にふれていないので、次の湯せんにそのまま使えます。朝にごはんを作ったお湯で、昼にレトルトを温めるといった使い方ができます。冷めたお湯は、体を拭くタオルを湿らせたり、トイレを流したりする水に回せます。ただし、何度も使ったお湯は飲み水にはしないでください。カセットコンロを使うときは、鍋がボンベの部分にかぶさらない大きさを選び、窓を少し開けて換気することも忘れないようにしましょう。

水だけで戻せる食品を使う

アルファ米のように、袋に水やお湯を注ぐだけで食べられる食品は、鍋も器も使いません。袋のまま食べれば、洗い物はゼロです。火が使えない日やガスを節約したい日のために、水だけで戻せる主食を少し備えておくと、気持ちに余裕が生まれます。お湯なら短い時間で、水でも時間をかければ戻るものが多く、おかゆのタイプもあります。食べ慣れておくために、ふだんの食事で一度試しておくとよいでしょう。回し方は在宅避難の備蓄 ローリングストックの回し方で紹介しています。

水を減らす調理のために備えたい物
  • 湯せん可の厚手のポリ袋
  • 無洗米とアルファ米
  • カセットコンロとボンベ
  • 鍋の底に敷く耐熱皿
  • キッチンばさみ

洗い物を減らす後片付けの工夫

調理で洗い物を減らせても、食べるときの器はどうしても汚れます。断水中は、器を汚さない使い方と、汚れたときに少ない水で済ませる片付け方を組み合わせるのがコツです。新しい道具をそろえなくても、ラップやキッチンペーパーなど、台所にある物で十分に工夫できます。「洗う」の前に「汚さない」「拭き取る」をはさむだけで、使う水は大きく減ります。後片付けの工夫を4つ紹介します。

器にラップを敷いて使う

お皿や茶わんにラップを敷いてから料理を盛り、食べ終わったらラップだけを外して捨てます。器はほとんど汚れないので、そのまま次の食事にも使えます。ふだん使っている茶わんやお皿をそのまま使えるので、高齢の家族も食べ慣れた器で落ち着いて食事ができます。ラップは食事のたびに使うので、思ったより早く減っていきます。ふだんより1〜2本多めに置いておくと安心です。

汚れは拭き取ってから洗う

鍋やフライパンに残った油や汚れは、水をかける前にキッチンペーパーや古い布で拭き取ります。ゴムべらで寄せてから拭くと、少ない紙できれいになります。拭き取ってから洗えば、すすぎの水が少なくて済み、汚れた水を捨てる手間も減らせます。どうしても洗うときは、洗い桶に少しだけ水をため、汚れの少ない物から順に洗いましょう。流しっぱなしにしないだけでも、使う水はかなり変わります。

紙皿と割り箸を使い分ける

紙皿や紙コップ、割り箸は、使ったら捨てられるので、洗い物がまったく出ません。ただし、紙皿は汁物を入れると染みたり、手で持つとたわんだりして、高齢の方には使いにくいこともあります。汁物や手に持つ物は、ラップを敷いたいつもの器にし、取り皿やおかずだけを紙皿にするなど、使い分けると扱いやすくなります。紙コップは、名前を書いておけば一人一つを一日使い回せます。紙のごみが増えるので、ごみ袋も多めに用意しておきましょう。

手と台の清潔を保つ

断水中は手を洗う水も限られますが、調理の前後と食事の前の手の清潔は欠かせません。ウェットティッシュや手指用のアルコール、使い捨て手袋を台所の近くに置いておくと、少ない水で清潔を保てます。手がひどく汚れているときは、ウェットティッシュで汚れを落としてから、少しの水で洗い流すと効果的です。調理台は、キッチンペーパーにアルコールを含ませて拭いておきます。体の清潔の保ち方は在宅避難の高齢者の清潔と口腔ケアの手順にまとめました。

器にラップを敷いて料理を盛り、食べ終わったらラップだけを捨てることで、器を洗わずに次の食事にも使えるという流れを示す図解
洗い物を出さない器の使い方の流れ

高齢の家族の食事で気をつけたいこと

水を節約する工夫は大切ですが、高齢の家族がいる家庭では、節約しすぎて体調をくずさないことのほうが大切です。高齢の方は、食中毒にかかると重くなりやすく、水分が足りなくなるのも早い傾向があります。工夫は「家族の体を守れる範囲で」と考えてください。水を減らしてよいのは洗う水までで、飲む水と口の手入れの水は減らさないことを家族の決まりにしておきましょう。気をつけたい点を4つ紹介します。

作り置きせず食べきる量を作る

停電で冷蔵庫が使えないと、作った料理を安全に保存するのが難しくなります。特に暑い時期は、作り置きした料理が傷みやすくなります。断水中や停電中は、1回で食べきれる量だけを作り、残った物は思い切って処分してください。ポリ袋調理なら、一人分ずつ袋を分けて作れるので、量の調整もしやすくなります。においや見た目が少しでもおかしいと感じた物は、もったいなくても食べないようにしましょう。

やわらかさを家族に合わせる

ポリ袋調理は、水の量と温める時間を変えるだけで、やわらかさを調整しやすい方法です。ごはんなら、水を多めにすればおかゆにできます。噛む力や飲み込む力が弱くなった家族には、一人分だけ水を多めにした袋を作ると、同じ鍋で家族それぞれに合う食事が作れます。ただし、とろみの付け方や食べ物の形に指示を受けている方は、その指示を優先してください。噛む力に合わせた備蓄は高齢者がいる家庭の在宅避難 食料備蓄の選び方で紹介しました。

口の手入れの水は残しておく

水が限られると、歯みがきや入れ歯の手入れを後回しにしがちです。けれども高齢の方は、口の中が汚れたままだと、汚れが気管に入って肺炎を起こすおそれがあります。食後に口をすすぐ水と、入れ歯を洗う水は、コップ1杯分でも確保しておいてください。洗い物の水を減らす目的の一つは、こうした体のための水を残すことでもあります。水が少ないときの口の手入れの方法は、前に紹介した清潔の記事にまとめています。

持病がある人の食事は主治医の指示で

腎臓病や糖尿病、高血圧などで食事制限を受けている方は、断水中でも制限を守る必要があります。水を節約しようとして缶詰や加工食品ばかりになると、塩分がとりすぎになることもあります。災害時の食事や水分のとり方は、平時のうちにかかりつけ医や管理栄養士に確かめておいてください。水分の量を控えるよう言われている方は、どこまで飲んでよいかも聞いておくと安心です。食事制限がある場合の備え方は高齢者の食事制限と防災備蓄の選び方にまとめました。

断水中でも減らさない水
  • こまめに飲む水分
  • 薬を飲むための水
  • 食後に口をすすぐ水
  • 入れ歯を洗う水
  • 調理前の手洗いの水

よくある質問

断水中の調理と洗い物について、よく寄せられる疑問をまとめました。ここで紹介するのは一般的な目安で、使う道具や食材の説明書き、家族の持病によって適したやり方は変わります。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。断水や給水の情報は自治体によって出し方が違うため、お住まいの市区町村の案内もあわせて確認してください。

ポリ袋はどんな物でも使えますか

使えるのは、高密度ポリエチレン製で、耐熱温度が100℃を超え、湯せんに使えると表示されている袋です。薄いレジ袋や、耐熱温度の低い袋は溶けたり破れたりするおそれがあるため、湯せんには使わないでください。購入前に箱の表示を確かめておきましょう。

湯せんに使ったお湯は飲めますか

飲み水にはしないでください。食材にふれていなくても、袋や鍋の汚れが混じることがあります。次の湯せんに使い回すか、冷めてから体を拭く水やトイレを流す水に回すのがおすすめです。

紙皿はどれくらい備えればいいですか

家族の人数に、1日の食事の回数と日数をかけた枚数がひとつの目安です。ただし、ラップを敷いたいつもの器と組み合わせれば、紙皿の数は減らせます。取り皿用の小さな物を中心に、ふだんの買い物で少しずつ足しておくと無駄になりません。

ポリ袋調理は平時に練習したほうがいいですか

一度は試しておくことをおすすめします。水の量や温める時間、袋の結び方は、実際にやってみると感覚がつかめます。週末のお昼ごはんにごはんを1袋だけ作ってみるなど、気軽に試せる形で十分です。家族にも食べてもらうと、好みのやわらかさも分かります。

洗剤は使ってもいいですか

使っても構いませんが、洗剤を使うとすすぎに水が多く必要になります。断水中は、汚れを拭き取ってから、ためた水で少量の洗剤を使い、すすぎも同じようにため水で行うと節約できます。ラップや紙皿を使って、そもそも洗う物を減らすのが一番です。

まとめ

断水中の台所では、飲み水を守りながら食事を続けるために、洗う水を減らす工夫が役に立ちます。ポリ袋調理で鍋を汚さず、器にラップを敷いて洗い物を出さないことが、少ない水で温かい食事を続ける近道です。一方で、高齢の家族の水分と薬、口の手入れのための水は、節約せずに残しておいてください。

この記事の振り返り
  • 減らすのは洗う水から
  • 飲み水と薬の水は取り分ける
  • ポリ袋調理で鍋を汚さない
  • 湯せんのお湯は使い回す
  • 器にラップを敷いて使う
  • 汚れは拭き取ってから洗う

今日は、台所に湯せんに使えるポリ袋とラップがあるかを確かめるところから始めてください。あれば、週末に一度ごはんを1袋だけ作ってみるだけで、断水の日の台所がぐっと身近になります。

\ 火もお湯も使わず、水だけで戻せます /

おかゆもある長期保存食「安心米」を見る

※袋のまま食べられるので、断水中も洗い物が出ない5年保存食です

コメント

タイトルとURLをコピーしました