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【直接は行けないことも】福祉避難所とは 使い方と頼れる範囲

福祉避難所とは何かと使い方や頼れる範囲を解説する記事のアイキャッチ画像 避難所と福祉避難所

足が弱く杖で歩く義母や親と暮らしていると、「一般の避難所は無理でも、福祉避難所なら受け入れてもらえるはず」と考えていませんか。名前だけは聞いたことがあっても、どこにあるのか、どうやって行くのか、いつから使えるのかは、意外と知られていません。実際には、災害が起きてすぐに自分で向かえる場所ではなく、まず一般の避難所などで受付をしてから、必要と判断された人が移る「二次的な避難先」という位置づけが基本です。数も定員も限られ、開設までに数日かかった災害もありました。この記事では、福祉避難所とは何かを、対象になる人・行くまでの流れ・頼れる範囲の限界まで整理し、あてにする前に家庭で決めておくことをお伝えします。今日は、義母が対象になるかを役所に確認するところから始めましょう。

福祉避難所でつまずくところ
  • 場所が公表されていない
  • 直接行けると思っていた
  • すぐには開設されない
  • 定員が少なく入れないことも
  • 付き添いを求められる
義母の避難に悩む読者のイラストアイコン
読者

義母は避難所生活に耐えられないと思っていて。福祉避難所があると聞いて安心していたのですが、どこにあるのかも分かっていません。

災害医療の修士号をもつ防災士である管理人のイラストアイコン
管理人

多くの自治体では、まず近くの一般の避難所や自宅で受付をして、そこから移る仕組みです。行き方と順番を、先に知っておきましょう。

福祉避難所は、備えれば「確実に入れる部屋」ではありません。存在をあてにしきるのではなく、仕組みと限界を知ったうえで、在宅避難の備えと組み合わせて考えるのが現実的です。読み終えるころには、うちの場合はどう動くか、今日どこへ連絡すればよいかが見えているはずです。

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※ご近所や家族だけで抱えきれないときの選択肢です

福祉避難所とは何か

まず、福祉避難所がどういう場所なのかを整理します。福祉避難所とは、一般の避難所では過ごすことが難しい、配慮が必要な人のための避難所です。市区町村が、公共施設や特別養護老人ホーム、障害者施設などと協定を結び、災害時に開設します。バリアフリーの設備や、介助にあたる職員がいる点が、体育館などの一般の避難所と違うところです。誰でも自由に使えるわけではなく、対象と使い方に決まりがあります。

一般の避難所とはどう違うか

一般の避難所は、地域の誰もが身を寄せられる場所です。学校の体育館や公民館が使われ、床で雑魚寝になることも少なくありません。福祉避難所は、その環境では体調を崩してしまう人に限って受け入れる、特別な避難所という位置づけになります。

間仕切りや簡易ベッド、車いすで使えるトイレなどが用意され、保健師や介護職が配置されることもあります。ただし数は少なく、地域に1か所もないこともあります。

一般の避難所と福祉避難所
  • 一般…誰でも、当日から
  • 一般…体育館で雑魚寝が多い
  • 福祉…対象者に限り、後日から
  • 福祉…バリアフリーと職員あり

対象になるのはどんな人か

対象は、避難所での生活に特別な配慮が必要な人です。杖歩行や車いすの高齢者、要介護の人、障害のある人、妊産婦、乳幼児、医療的ケアが必要な人などが含まれます。その介助にあたる家族も、いっしょに受け入れられるのが一般的です。

ただし、最終的に対象と認めるかどうかは市区町村が判断します。要介護認定や障害者手帳がなくても、状態によって対象になることがあります。逆に、手帳があれば必ず入れるわけでもありません。

  • 杖歩行や車いすの高齢者
  • 要介護や認知症のある人
  • 障害のある人と妊産婦
  • 医療的ケアが必要な人

受けられる配慮と設備

福祉避難所では、体の状態に合わせた過ごし方ができるよう配慮されます。段差の少ない室内、洋式や車いす対応のトイレ、簡易ベッド、間仕切りによる個別のスペースなどが基本の設備です。おむつや介護用品が備えられていることもあります。

職員による見守りや、健康状態の確認、相談への対応も行われます。とはいえ、施設に入所したときのような手厚い介護を受けられる場所ではありません。あくまで、災害が落ち着くまでの一時的な避難先です。

福祉避難所へは一般の避難所で受付とアセスメントを経て移動し事前指定があれば直接避難もできる流れの図解
福祉避難所にたどり着くまでの流れです。事前指定がなければ、まず一般の避難所を通ります

福祉避難所の使い方と行くまでの流れ

ここが多くの人の思い込みと違うところです。福祉避難所は、災害が起きてすぐに自分で向かう場所ではなく、まず一般の避難所などで受付をしてから移るのが原則です。開設されるのも、災害発生と同時ではありません。市区町村が施設の安全や職員の状況を確認し、受け入れ準備が整ってから開きます。ここでは、実際にたどる順番を説明します。

まず一般の避難所や自宅で受付を受ける

災害が起きたら、まずは身の安全を確保し、在宅避難ができるかを判断します。家にいられないときは、いったん近くの一般の避難所へ行き、そこで「配慮が必要」と申し出るのが入口になります。

受付では、保健師などが体の状態や介護の必要度を確認します。この聞き取りをもとに、福祉避難所へ移る必要があるかどうかが判断されます。自宅にとどまっている場合も、地域の見回りや相談窓口を通じて申請できます。

二次的な避難先として移動する

福祉避難所が開設され、受け入れが決まると、そこへ移動します。移動の手段は自分で確保するのが基本で、家族の車や、地域の支援者の協力が必要になる場面が多いです。

自治体が送迎を用意する場合もありますが、災害直後は車も人も足りません。誰がどうやって義母を運ぶかを、事前に家族で話しておくことが、この段階でものを言います。

事前に指定を受けて直接避難できる場合

2021年に国の考え方が見直され、あらかじめ受け入れ先を指定しておけば、一般の避難所を経ずに福祉避難所へ直接避難できる仕組みが進められています。特別支援学校を、その学校に通う子どもと家族の避難先に指定する、といった使い方です。

ただし、これはまだすべての自治体・すべての人に広がってはいません。個別避難計画づくりの中で、自宅の近くに直接避難できる施設があるかを相談してみてください。

一般の避難所は当日から使えるが福祉避難所は開設まで数日から1週間かかった例があることを示す図解
開設までの時間の目安です。福祉避難所は当日には使えないことが多いと考えておきます

福祉避難所で頼れる範囲と限界

福祉避難所は心強い仕組みですが、過信は禁物です。開設の遅れ、定員の不足、付き添いの要請、介護の限界という4つの弱点を知っておくと、備えの方向を間違えずにすみます。過去の災害では、福祉避難所があるのに周知されず、たどり着けなかった例が繰り返し報告されています。頼れる部分と、頼りきれない部分を分けて考えましょう。

開設までに時間がかかる

福祉避難所は、災害発生と同時には開きません。施設や職員自身が被災していることも多く、過去の災害では開設まで数日から1週間かかった例があります。

つまり、災害直後のいちばん大変な数日間は、一般の避難所か在宅で過ごす前提になります。その期間をどう乗り切るかの備えが、福祉避難所の有無とは別に必要です。

数と定員が足りないことがある

福祉避難所として確保されている場所は、必要とする人の数に対して十分ではありません。希望しても、定員がいっぱいで入れなかったり、遠い施設を案内されたりすることがあります。

地域にどれだけの福祉避難所があるかは、自治体の防災計画や地域防災担当で確認できます。数が少ない地域ほど、在宅避難を軸に据えておく必要が高まります。

家族の付き添いを求められることがある

福祉避難所は職員がいても、一人ひとりに付きっきりではありません。食事や排せつの介助が必要な人は、家族が付き添うことを条件に受け入れられるケースが多いです。

その場合、付き添う家族の食料や寝る場所も自分で用意することになります。仕事や下の子どもの世話と両立できるか、家族の中で役割を決めておきましょう。

頼りきれない部分
  • 最初の数日は間に合わない
  • 定員オーバーで入れないことも
  • 付き添いは家族の役割
  • 手厚い介護は受けられない

医療や常時の介護までは期待できない

福祉避難所は、医療機関でも介護施設でもありません。たんの吸引や在宅酸素など、医療的ケアが欠かせない人は、別の受け入れ先や入院での対応が必要になることがあります。

持病がある家族は、かかりつけ医に「災害時はどうするか」を平時のうちに相談しておいてください。薬とお薬手帳の持ち出しの準備も、あわせて進めておきましょう。

福祉避難所をあてにする前に家庭で決めておくこと

ここまで読むと不安に感じるかもしれませんが、やることは絞れます。対象になるかの確認、個別避難計画づくり、在宅避難の備えの3つを、今日から少しずつ進めれば十分です。福祉避難所は「うまく使えたら助かる選択肢のひとつ」と考え、それに頼りきらない形をつくっておきます。順番に見ていきましょう。

自治体に対象になるか確認する

最初の一歩は、義母が福祉避難所の対象になるかを自治体に聞くことです。連絡先は、市区町村の福祉担当課か地域包括支援センター、ケアマネジャーがいれば担当のケアマネジャーです。

あわせて、避難行動要支援者名簿に登録されているかも確認します。この名簿に載っていると、災害時に地域の支援者へ情報が共有され、次の個別避難計画づくりの対象にもなります。

個別避難計画で移動手段と支援者を決める

個別避難計画は、要支援者一人ひとりについて「いつ、誰と、どこへ、どうやって逃げるか」を事前に決めておくものです。福祉避難所への移動手段と、当日手を貸してくれる支援者を、この計画の中で具体的に決めておきます。

作成はケアマネジャーや自治体、地域の民生委員などが手伝ってくれます。家族だけで支援者を用意できないときは、この場でALSOKのような駆けつけサービスも含めて相談しておくと、当日の動きに幅が出ます。

在宅避難の備えも並行して進める

福祉避難所が開くまでの数日を自宅で過ごせるよう、備えを整えておきます。水、食料、携帯トイレ、薬、停電対策をそろえておけば、無理に避難所へ行かずにすむ可能性が高まります。

足腰の弱い家族にとっては、住み慣れた自宅で過ごせることが何よりの安心です。福祉避難所の準備と在宅避難の備えは、どちらか一方ではなく、両方をそろえておくものと考えてください。

福祉避難所を使う準備は対象確認から名簿登録個別避難計画事前指定へと進む段階を示す図解
準備の段階です。まず対象になるかの確認から、順に進めていきます

よくある質問

最後に、福祉避難所について寄せられることの多い質問をまとめました。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。うちの場合はどうだろうと置き換えながら読んでみてください。ひとつ迷いが消えるだけでも、準備は前に進みます。

福祉避難所の場所は事前に分かりますか

自治体によって対応が分かれます。ホームページや防災マップで公表しているところもあれば、混乱を避けるため非公表にしているところもあります。分からない場合は、市区町村の防災担当か福祉担当に問い合わせれば、対象者には教えてもらえることが多いです。

要介護認定がなくても入れますか

入れる場合があります。対象は「避難所生活に配慮が必要かどうか」で判断されるため、認定や手帳がなくても、状態によって認められます。心配な場合は、事前に自治体へ相談し、必要ならかかりつけ医の意見を添えておくと話が早く進みます。

ペットは連れて行けますか

福祉避難所は配慮が必要な人のための施設のため、ペットの同行は原則として想定されていません。一般の避難所でのペット受け入れも自治体ごとに異なります。ペットがいる場合は、預け先やペット可の避難先を別に決めておく必要があります。

費用はかかりますか

福祉避難所の利用そのものに、利用者の自己負担は基本的にありません。食事や物資も避難所と同じように提供されます。ただし、付き添う家族の生活用品や、移動にかかる費用は自分で負担することになります。

認知症の家族でも利用できますか

利用できます。認知症は福祉避難所の対象に含まれ、環境の変化で症状が出やすいことにも配慮されます。ふだんの生活リズムが分かるメモや、好きな飲み物などを持って行くと、本人の落ち着きにつながります。家族の付き添いを求められることが多い点は、知っておいてください。

結局、一般の避難所と在宅避難のどちらを優先すべきですか

自宅が倒壊や浸水の危険がなく、備えがあるなら、まず在宅避難を軸に考えるのがこのブログの立場です。そのうえで、家が危険なときの一次避難先として一般の避難所を、体調が持たないときの移り先として福祉避難所を、段階として頭に入れておくと動きやすくなります。

まとめ

福祉避難所は、一般の避難所では過ごせない配慮が必要な人のための、二次的な避難先です。災害後すぐに自分で行ける場所ではなく、まず一般の避難所などで受付をしてから移るのが原則で、開設まで数日かかることもあります。数や定員に限りがあり、家族の付き添いを求められ、手厚い介護までは期待できません。だからこそ、対象になるかの確認、個別避難計画での移動手段と支援者の決定、在宅避難の備えの3つを、平時のうちにそろえておくことが大切です。福祉避難所は「使えたら助かる選択肢」として頭に入れつつ、頼りきらない形をつくっておきましょう。

この記事の振り返り
  • 配慮が必要な人の二次的な避難先
  • 原則まず一般の避難所で受付
  • 開設まで数日かかることも
  • 定員と付き添いに注意
  • まず自治体に対象か確認
  • 個別避難計画と在宅避難の備え

とはいえ、今日すべてを片づける必要はありません。まずは市区町村の福祉担当課か地域包括支援センターに電話して、「同居している義母は福祉避難所の対象になりますか」と一つだけ聞いてみてください。それだけで、避難行動要支援者名簿や個別避難計画の話につながります。福祉避難所は、知っている家庭ほど落ち着いて動けます。今日ひとつ動けば、次に大きな災害が起きたときの選択肢が、確実に一つ増えます。高齢の家族がいる家庭の備えについて、このブログではこれからも具体的な手順をお伝えしていきます。

\ 当日、手を貸してくれる人を増やしておく /

高齢の家族の見守りにALSOKを見る

※ご近所や家族だけで抱えきれないときの選択肢です

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